地獄くらやみ花もなきを読んでみて感想を書いてみました。
和風で妖怪が登場するミステリー漫画。
謎に対する複雑さや1つの謎の解決するスピードも早いので、普段ミステリーを読まない人にも読みやすい作品。
逆に複雑なミステリー小説を読む人には物足りないかもしれません。
ネタバレもあるのでご注意ください。
目次
地獄くらやみ花もなきの基本情報
原作:路生よる
漫画:藤堂流風
出版社:KADOKAWA・角川コミックスエース
2020年9月4日1巻発売
あらすじ
大学を卒業した後ホームレスとしてネットカフェに住みながら生活していた遠野青児。
彼は他人の姿が化け物に見えることがあった。
それはなにか罪を犯した人の姿が化け物に見えるという地からだった。
子供の頃からの力に逃げ続けていたある日、化け物に見える人間から逃げていると黒い塀が並ぶ見覚えのない場所へたどり着く。
とても大きな洋館へたどり着き洋館の主人であろう西條皓に力のことを話すと自分の元でバイトをしないかと誘われた。
そして彼の仕事が「地獄代行業」であることを知る…。
どんなストーリー?
和風なミステリー漫画。
罪を犯した人間が洋館へ自然と導かれ、それを隠そうとする罪人の罪を暴いていきます。
数話ごとにキーとなる人間が訪れ、その人間の背景や謎を元にストーリーが進行。
大きな題材のミステリーについて進むタイプではなく、細かなミステリーが数話ずつ進みます。
ミステリー要素に関しても複雑な謎解き等ではありません。
謎の肝である罪人に関しても遠野の能力のおかげで最初に明かされていますしね。
祟りという謎に対しても
「子会社の1つが倒産→中小企業の倒産は年末に集中しやすい」
「年明けに不整脈で入院→年末年始の飲酒量増加と倒産のストレス」
「縁談が破談→ストレスの影響で恋愛がうまくいきにくい」
などなど犯人を暴く他にも極めて現実的な謎が多い点も魅力でしょう。
罪が直接的な殺人を犯した人間に限らないというのもミステリーでは珍しいかもしれません。
登場人物について
数話毎に事件が変わるのでメインの登場人物が少ないです。
今の所基本的に主要な登場人物は遠野青児と西條皓のみ。
事件に関係なく関係している人物に目が真っ黒で不気味な和服少女や、凜堂棘という西條皓のライバル的な人物がいますが主要というほどではありません。
遠野青児
ネットカフェで生活している最中に特別な力を買われ、西條の元で住み込みのバイトをするようになります。
罪人がその特徴を表す妖怪に見えるという特別な力を所有。
しかし幼い頃からその力を持ってしまった影響で人と関わることが苦手です。
力の正体は照魔鏡という鏡で5歳の頃に目に入ってしまったことで能力が付与されました。
ストーリー的には助手というポジションでわけのわからない平凡な第3者として絡んできます。
遠野が疑問に思い西條が答えるといった進み方ですね。
西條皓
父親が「魔王」山本五郎左衛門であり妖怪の親玉の跡取り息子。
とはいえ彼自身は半人半妖とのこと。
さらに罪人を暴き地獄に堕とす「地獄代行業」を行っている人物。
怖いほどの美貌、美少年という描写が度々されています。
基本的には西條と訪れた人間の謎を元にストーリーが進行。
彼にはライバル的な立ち位置の人物がおり、「百人の罪を暴き地獄に堕とす」という推理合戦の真っ最中。
これが理由でストーリーが数話ずつという構成になっています。
罪状や裁定にミスが有ると裁定者に罰が返るというリスクも背負っています。
凛々しいキャラが多め
西條皓が美少年と何度も描写されているだけあって絵は上手です。
切れ長の目で和装の美少年が引き立っている絵と言えるでしょう。
他にも男性女性問わず凛々しい見た目のキャラクターが多め。
和服や妖怪たちもしっかり描かれている点も大きな魅力と言えるでしょう。
萌え絵、グロ、お色気、ハーレムなどは登場しないので非常に一般向けなミステリー漫画になっています。
妖怪等が出てくるのでダークというほどではありませんが全体的に少し不気味な雰囲気になっているのも特徴的。
【ネタバレ感想まとめ】地獄くらやみ花もなき【妖怪ミステリー】
読みやすいミステリーを題材にした漫画ですね。
数話で1つの謎が完結していくのでサクサク読みやすい。
絵も上手ですし特に不満のない漫画でしょうね。
ミステリー自体が難しいものではないですし、和風の描写も相まって雰囲気を楽しむ漫画として魅力的な作品になっています。
無料で試し読みもあるのでぜひご利用ください。
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